職場の環境やキャリアアップを理由に転職する人は多いです。中でも新卒で入社してから3年以内に転職する方は「第二新卒」と呼ばれます。早めの転職に踏み切ることは決して悪いことではありません。キャリアが浅いうちの転職には良い点もたくさんあります。第二新卒の薬剤師が転職を成功させるためにはいくつかコツがあるので参考にしてください。
新卒の薬剤師との違いは基礎研修の必要性です。求められる知識や調剤スキルは勤務をすることによってある程度は身についています。社会人としての基本的なマナーもあるので、企業側は教育・研修の手間がかかりません。
すぐに即戦力となる若い人材として求められる存在になるでしょう。若い人材はキャリアを積み重ねた人材にはない魅力もあります。勤務期間が少ないとより会社の風土に馴染みやすい傾向があるのです。キャリアを積めば積むほどこれまで身に着けた業務やこだわりがより強くなります。
強いこだわりがあれば周りと衝突しやすく、争いは企業にとっても敬遠されがちです。第二新卒であれば、強いこだわりが生まれるほどのキャリアには至っていません。前の企業とは違った業務フローや風土に馴染みやすいといえるでしょう。
採用する企業側にとってのネガティブな側面も存在します。やはり、「すぐに退職するのではないか」という点です。理由はあれど企業が採用した人材がすぐに辞めてしまうと、手間と費用の損失になりかねません。人材の採用には驚くほどの手間と費用をかけているためです。
前の職場を早く退職している第二新卒はなら懸念をどうしてももたれやすくなります。求人活動をする際は、前職の転職理由に納得できる理由をきちんと説明しないといけません。同時に新しい職場では長く働きたい意欲を企業側に示すことが大切です。
ほとんどの方にとって転職は人生で初めての経験になるでしょう。失敗しないためにも転職活動で気をつけるべきポイントを押さえておいてください。まず、退職する際はその理由を見つめ直しましょう。今の待遇や人間関係など不満が出てしまうのは当然のことです。
しかし、その理由を伝えるだけで採用担当者に納得してもらえるとは限りません。企業側は「なぜ自社を選んだのか」「新しい職場で何をしたいのか」を聞きたいのです。もし、転職する理由が不満だとしても前向きな内容に言い換えて伝えることはできます。
残業が多いのであれば「効率よくして対人業務を増やしたい」など言い方に気をつければ問題ありません。処方箋作業に忙しかったなら「患者さんに寄り添いたいから」と視点を変えて話せば伝わり方は大きく変わります。多くの企業は長期的に活躍する人材を求めています。第二新卒の方は「まず職場をやめてしまいたい」という気持ちが先行してしまいがちです。しかし、転職は不満を解消するのではなく、より活躍できる職場に移るのが目的です。求める条件をはっきりしないまま転職すると、ミスマッチにつながりかねません。そうならないためにも新しい職場で何をしたいかはっきりさせましょう。「専門的な資格を取得する」「管理薬剤師を目指す」などどう成長していきたいのか言語化してください。